ハンマーで哲学する④|“弱さが善になる”という物語

宇宙の中に惑星が中央に浮かび、光り輝く。「ハンマーで哲学する#4弱さが善になるという物語」の文字入り。

【2025.01.05|リライト 2026.01.05】

この連載『ハンマーで哲学する』は、ONF の世界を理解するために、自分の内面をニーチェのハンマーで叩いていった記録です。

このページは、第4回(全10回)です。ニーチェのハンマーを手に、価値の裏側にある静かな力を見つめていきます。

ハンマーで哲学する①|思考の冒険のはじまり

じゃあ、なぜ今の私たちが、「支配欲は悪」と感じるようになったの?

その答えを探るために、まず、

■自分の基準で生きる人・価値を創造する人・舵を取る力を持つ人

■他人の基準で生きる人・価値に従う人・舵を預ける力を持つ人

この二つの傾向について整理します。

これが、何十万年もの間積み上げてきた、人類の自然な姿。

この自然な姿が、ひとつの “位相” となります。

人と人とが違いを受け入れ、互いに依存し、

幸福と快感が生まれる自然な社会。

自分の持つ力を発揮し、

文化と科学技術が発展する、人類の魂が築いてきた豊かな社会。

生命のエネルギーがみなぎる、

花崗岩の大地が内面に広がっている状態。

苦痛・犠牲・残酷さ。

これらが意味づけられ、肯定されていた時代。


人々が階層(力の強弱)を自然なものとして受け入れ、

喜びに満ち、エネルギーが表現される。

私は、その姿を、とても美しいと感じます。

ところが、今から約2000年前。

長い人類の歴史から見れば、つい最近のことです。

この自然な状態が大きく反転する出来事が起こりました。

それが、

ルサンチマンは、奴隷階層の中から現れました。

力の強弱そのものではなく、「自分は劣っている」と感じてしまった。

誇りや充実感を見出せず、

役割を肯定できない構造に追い込まれたのだと考えられます。

意図は異なりますが、

共通の “敵”——自分の価値で生きる人・貴族的道徳

に対抗するという点で一致します。

「弱さが善、力は悪」という奴隷道徳は、

弱者の自己肯定感の手段となり、

多くの人の支持を得やすいものでした。

価値を創造する人は少数

価値に従う人は多数

数が力となります。

聖職者にとって、この道徳を普遍的なものとして定着させることは、

支配の正当化となりました。

それが、宗教の教え奴隷道徳として世界中に広まりました。

精神的奴隷一揆は過去の出来事ですが、

現在の「日本の学校の道徳」の原型は、

「力を持たないものが、正当化される奴隷道徳」です。

弱さを武器にする K ちゃん(Wish#1)が
正当化される道徳ですぞ~

エネルギーが抑えられ、

古いものが固定され、

保持される。

価値を創造する者が、

【代替価値の物語】を信じる者によって、

攻撃される。

人々は、衝動を抑圧し、

現実を見ようとしない。

現実を見つめる人と、

すれ違っていく。

ハンマーで哲学する⑤|揺れ動く私と、舵を取る力